ローズの秘密の頁(ページ)

2月3日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開!

めくるたびにあふれる、真実と愛 監督・脚本:ジム・シェリダン『マイ・レフトフット』『父の祈りを』 出演:ルーニー・マーラ『キャロル』、ヴァネッサ・レッドグレイヴ『ジュリエットからの手紙』エリック・バナ『ハルク』、ジャック・レイナー『シング・ストリート 未来へのうた』、テオ・ジェームズ『ダイバージェント』 2016/アイルランド/スコープサイズ/DCP/108分/カラー/英語/原題『The Secret Scripture』/提供・配給:彩プロ © 2016 Secret Films Limited

Introduction

『マイ・レフトフット』(89)や『父の祈りを』(93)で知られる巨匠ジム・シェリダンが、アイルランドの人気作家セバスチャン・バリーのコスタ賞※を受賞した同名小説を映画化。

物語はアイルランドを舞台に、40年にわたり病院に収容されているある老女の知られざる過去が、1人の医師と1冊の聖書によって明らかにされていくところからはじまる。1940年代第二次世界大戦時、激動の時代に翻弄されながらも、たった一つの愛を貫いた女性の生き様と長きにわたり封印されてきた衝撃の真実が、現在と過去の時間軸を行き来しながら壮大なスケールで描かれるミステリアスな大河ロマンだ。 主演として若かりしローズを演じたのは、『キャロル』(15)で第68回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、名実共にトップ女優となったルーニー・マーラ。もう一人の主演である老年のローズを演じたのは、これまでにカンヌ国際映画祭女優賞受賞、アカデミー賞®助演女優賞受賞の功績を持つ、イギリスを代表する大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴ。そのほか、エリック・バナ、テオ・ジェームズ、ジャック・レイナーなど、ベテランから次世代の注目株まで豪華なキャスト陣が脇を固め、この壮大な物語に奥行と深みをもたらしている。

主人公ローズはなぜ長い間病院で過ごしてきたのか、なせ聖書に秘かに日記を書き綴ってきたのか、一体彼女にはどんな過去があるのか――半世紀のときをこえて徐々に紐解かれる記憶は、我々に思いがけない驚きと胸を震わす感動をもたらしてくれる。

※英国で権威のある文学賞

Story

40年間もの長い月日を病院で過ごしてきた老女ローズ。
半世紀にわたって封印されてきた彼女の過去が、
今、1冊の聖書によって紐解かれる――
取り壊しが決まった聖マラキ病院。
転院する患者たちの再診のために病院を訪れた精神科医スティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、病院で40年間もの長い時間を過ごしてきたローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)を看ることになる。彼女は自分の赤ん坊を殺した罪を背負っていた。しかしローズは、その罪を否認し続け、自身を本名とは別の「ローズ・マクナルティ」と名乗り続けていた。
グリーン医師は、ローズが大切にしている1冊の聖書の存在を知り、彼女の過去に興味を持ちはじめる。ローズは何十年にもわたって、聖書のなかに秘かに日記を書き綴っていたのだ。そして彼女は日記を辿りながら半世紀前の記憶を遡り、グリーン医師を前に自分の人生を語り始める――

Staff

製作・監督・脚本:
ジム・シェリダン
Jim Sheridan
1949年アイルランド・ダブリン生まれ。
ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(UCD)で英語と歴史を学ぶ。1980年代初期に家族を連れてダブリンからニューヨークに渡り、彼にとっては正式に映画を学んだ唯一の場所であるニューヨーク大学で、6週間の映画製作研修コースを受講した。このときマイク・ニューウェル監督『白馬の伝説』(92)の脚本を手掛けた。その後、『マイ・レフトフット』(89)で衝撃の映画監督デビューを果たす。続いて、ギルフォード・フォー事件を描き、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した『父の祈りを』(93)を製作し、評論家の絶賛と大きな論争を巻き起こした。そのほか、自身の家族の経験をもとに描いた『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』(02)、ラッパー・50セントの小説化された伝記映画『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』(05)などさまざまなタイプの映画を製作し、これまでに6つのアカデミー賞®、3つのゴールデングローブ賞、そして2つの英国アカデミー賞のノミネートの功績を持つ、アイルランド映画界を牽引する監督の一人である。

※出身校をカリフォルニア大学デービス校としておりましたが、正しくはユニバーシティ・カレッジ・ダブリンです。訂正してお詫び申し上げます。
音楽:ブライアン・バーン
Brian Byrne
数々の映画やテレビの音楽を手掛けているアイルランドの作曲家。
グレン・クローズ主演の『アルバート氏の人生』(11)の歌や楽曲といった音楽で2つのワールド・サウンドトラック・アワードとサテライト賞を受賞。ジョン・カーニー監督のアイルランドのSFコメディ映画『Zonad』(09/未)ではオリジナルの楽曲でアイリッシュ・フィルム・アンド・テレビジョン・アワードを受賞。その他、ジム・シェリダンのアカデミー賞®ノミネート作品『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』(02)、オーランド・ブルーム主演『グッド・ドクター 禁断のカルテ』(11)、ダスティン・ホフマン主演でジョシュ・グローバンと共同作詞した『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』(14)、アイルランドのデザイナーであるアイリーン・グレイの伝記映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』(15)やトム・ウィルキンソンとキャサリン・ハイグル主演の『Jenny's Wedding』(15/未)の音楽を手がけている。
共同脚本:ジョニー・ファーガソン
Johnny Ferguson
1963年アイルランド・ダブリン生まれ。2013年死去。
脚本家として本格的な活動を始める前はロンドンの雑誌出版社に勤務し、アイルランドで広告業界のコピーライターに転身するとすぐにD&AD賞とICAD アワードを獲得するなどの成功をおさめた。ポール・マクギガン監督によるポール・ベタニー主演の『ギャングスター・ナンバー1』(00)の脚本を手掛け世界的に知られることとなる。ドラマや映画など多くの未製作のオリジナル脚本を書いたが、癌を患い、50歳になったばかりの2013年4月に亡くなった。
撮影監督:ミハイル・クリチマン
Mikhail Krichman
1967年ロシア・モスクワ生まれ。リヴ・ウルマン監督によるコリン・ファレルとジェシカ・チャステイン主演の長編映画 『Miss Julie』(15/未)でジム・シェリダン監督の目にとまる。これまでに手掛けた作品は、『父、帰る』(03)、『ヴェラの祈り』(07)、『エレナの惑い』(11)、『裁かれるは善人のみ』(14)など、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の全作品の撮影を担当している。また、『Silent Souls』(10/未)では第67回ベネチア国際映画祭金オゼッラ賞(撮影賞)を受賞した。
衣装:ジョアン・バージン
Joan Bergin
これまでに数々の映画や舞台の衣装を手がけ、エミー賞受賞3回、ノミネート5回という輝かしい経歴を持つ。これまでに、『マイ・レフトフット』(89)、『ザ・フィールド』(90)、『父の祈りを』(93)、『ボクサー』(97)などジム・シェリダンが製作を手がけた全てのアイルランド映画、『サラマンダー』(02)や『ヴェロニカ・ゲリン』(03)、『プレステージ』(06)の衣装を担当している。
原作:セバスチャン・バリー
Sebastian Barry
1955年アイルランド・ダブリン生まれ。アイルランド東部で育ち、文芸誌編集者を経て詩人・劇作家として1982年にデビュー。1988年に発表した戯曲「Boss Grady’s Boys」でその年のアイルランド演劇界の最高賞であるStewart Parker Awardを獲得。本作と同じくスライゴの街を舞台にある女性の一生を描いた「Our Lady of Sligo」(98)ではPeggy Ramsay Play Awardを受賞した。一貫してアイルランドで生きる人々を主人公に据え、彼らの視線を通して20世紀アイルランドの激動の歴史とそのうねりの中で揺れ動くカトリック的価値観を描き続けている。近年は戯曲・詩作よりも小説家としての活動に軸足を移しており、2008年に発表した本作の原作小説“The Secret Scripture”で英国・アイルランドの文学者を対象とした「コスタ賞」を受賞。

Casts&Character

ルーニー・マーラ (若かりしローズ役)
Rooney Mara
1985年4月17日、ニューヨーク出身。ニューヨーク大学在学中に女優を志し、姉のケイト・マーラ主演の『ルール 封印された都市伝説』(05/未)で映画デビューした後、テレビドラマ「LAW&ORDER:性犯罪特捜班」(06)や「ER緊急救命室」等にゲスト出演。『TannerHall』(09/未)で映画初主演を飾る。デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』(10)で主人公の元恋人役を演じて注目を集めた後、同監督の『ドラゴン・タトゥーの女』(11)ではヒロインに抜擢され、アカデミー賞®主演女優賞にノミネート、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 ブレイクスルー演技賞を受賞した。15年にはケイト・ブランシェットと共演した『キャロル』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、演技派若手女優として確固たる地位を築き上げている。その他の主な出演作は、『her/世界でひとつの彼女』(13)、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(16)等がある。
ジャック・レイナー (マイケル・マクナルティ役)
Jack Reynor
1992年1月23日、コロラド州出身。子役として映画『Country』(00/未)に出演、学生時代は演劇を中心に活動する。2013年、カナダ映画『人生、ブラボー!』(11)をハリウッドリメイクした『人生、サイコー!』(13/未)に起用され、ハリウッドへ進出。その直後に、シリーズ第4弾『トランスフォーマー/ロストエイジ』(14)で準主役に抜擢されたことで、一躍、ハリウッド注目の新星となる。15年には、『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』で19歳の王女だった現女王のエリザベスと出会う青年役を、『シング・ストリート 未来へのうた』(16)では主人公を思いやる兄を好演。
エリック・バナ (スティーヴン・グリーン医師)
Eric Bana
1968年8月9日、メルボルン出身。高校卒業後、演技の勉強を始め、1993年頃より、テレビのコメディ番組に出演。その後、96年に自らのテレビ番組「Eric」を開始、オーストラリアで爆発的な人気を得る。2000年、『チョッパー・リード/史上最凶の殺人鬼』(未・DVD)で映画デビュー、オーストラリア映画協会賞とストックホルム国際映画祭で主演男優賞を受賞し、国際的に注目を浴びる。その後、リドリー・スコット監督作『ブラックホーク・ダウン』(01)でハリウッドデビューを果たす。03年に、アン・リー監督の『ハルク』、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ミュンヘン』(05)では主演を務める等、映画を中心に活躍している。
ヴァネッサ・レッドグレイヴ (老年のローズ役)
Vanessa Redgrave
1937年1月30日、ロンドン出身。父はマイケル・レッドグレイヴ、母はレイチェル・ケンプソンという俳優の家庭に生まれる。1958年、父親の主演作で映画デビュー。カレル・ライス監督作品『モーガン』(66/未)と『裸足のイサドラ』(68)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。77年には『ジュリア』でアカデミー賞®助演女優賞を受賞し、その後も多数の映画、舞台で活躍、高い評価を得ている。近年は『ダロウェイ夫人』(97)や『ジュリエットからの手紙』(10)等で印象に残る演技で活躍している。また、反体制の闘士としても有名で、政治的発言やデモへの参加などでもよく知られている。
テオ・ジェームズ (ゴーント神父役)
Theo James
1984年12月16日、オックスフォード出身。大学在学中に舞台や短編映画の製作に携わるうちに、俳優を志す。2010年、ウッディ・アレン監督の『恋のロンドン狂騒曲』で映画デビュー。テレビドラマ「ダウントン・アビー」(10)のシーズン1で、ヒロインの処女を奪うオスマン帝国の外交官を演じ、強烈な印象を残す。以後、テレビドラマ「BEDLAM/ベッドラム」(11)で主演を務める。14年、全米で大ヒットした『ダイバージェント』で主人公の相手役に起用され、人気スターの仲間入りを果たす。

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